きたもとの脳味噌の記録機能の薄さは、特に推理&サスペンス小説に於いて特に顕著に表れます。子供の頃から何度も読んでいるはずのシャーロック・ホームズシリーズも「何度も」読んでも、トリックをきれいさっぱり忘れてしまっています。映画だと忘れないので、映像の部分では問題ないようなのですが・・・。「踊る人形」の残された暗号は覚えてるのに、どんなトリックだったのかはすでに3回は読んでるのに覚えていません(涙)
今回手にしたのは『盗まれた独立宣言(上・下)』 (ジェフリー・アーチャー 新潮文庫 )。実家の本棚にあった小説です。最近はすっかり遠のいてしまっているのですが、10年前の私は、推理小説好きでした。
ええ、もちろんきれいさっぱりですよ。
しかし、時代を経ると、サスペンスの設定からして古い。ホームズシリーズほど古いと時代設定の同時代感がないのであまり感じないのですが、これはたかだか10年前。
「フセイン大統領がアメリカのプライドである独立宣言を盗むよう罠を仕掛ける」
という設定の時点で、「もうフセイン、死刑だもんな。。。」としみじみ。世界はどんどん動いております。
単純な脳みそは、小説の世界にどっぷりはまり、結局途中でやめられず朝5時まで起きてしまったのでした。
時代感のあるサスペンスの宿命か、すでに絶版。ジェフリー・アーチャーお得意の2転3転する駆け引きの嵐でおなかいっぱい。宮部みゆきのサスペンス小説が日本の地方都市を各駅停車で徐々に前進する感じならば、ジェフリー・アーチャーのものは急行と特急を乗り継ぎながら、アメリカ・ヨーロッパ・中東と旅をするような。引ずりまわされながらも途中下車できない・・・
今年は去年よりも1冊でも多く推理&サスペンス小説を読みたいですね。・・・普通の人よりも嫌でも2度は味わえるわけですし