眠れなかったので、買ったばかりの本を一気読み。
この「医学のたまご」は、映画がもうすぐ公開される「チーム・バチスタの栄光」の原作者で、外科医を経て今も現役の医師である海堂尊さんの最新作。現時点でamazonには表紙画像が上がっていないので、書店に並んで1日、2日レベルの最新刊でしょう。
表紙のイラストは、ヨシタケシンスケさん。
PARCOでの個展が面白くて、携帯電話にまつわる小ネタ事例の特集イラストをお願いしたことがあります。
その仕事をしている途中、偶然友達のY・Aちゃんが「やっぱり今日でした」の編集を担当していたり、別の友達がヨシタケさんと大学の同級生で結婚式にまで出席した仲だとか、不思議なつながりがあったのでした。
てなわけで、海堂尊さんが中学生に向けて書いたということと、ヨシタケさんの表紙イラストでのジャケ買いでした。これが大当たり!
「日経メディカル」という医療専門誌で連載されていたこの作品は、書かれた当時よりも、さらに現在よりももう少し先、2010年が舞台です。文部省の新テストで日本一になった少年が、大学の医学部に飛び級入学するのですが、このテストを作ったのが公にはならないものの実は海外在住の少年の父で、息子である彼はそのテストの解き方を知っていた
から当然のこと。
たちまちスーパー中学生として祭り上げられ、大学の研究室に行くものの、彼を迎え入れた教授の狙いは名声と政府からの研究費。論文のねつ造問題に巻き込まれ、彼はどんどん追い込まれていく。
個性的なキャラクターが生き生きとしていて、医学界のどろどろした問題を提示しながらも、中学性が読んですっきりする読後感でした。
面白いのが、父と息子のやりとり。日本とアメリカと離れて住んでいるので、やりとりはもっぱらメールなのに、息子は父の言葉で印象に残ったものをノートにメモをしている。
それが全12章のうち、10章のタイトルになっています。
第1章 「世界は呪文と魔方陣からできている」と、パパは言った。
第2章 「扉を開けたときには、勝負がついている」と、パパは言った。
第3章 「初めての場所でまず捜すべきは、身を隠す場所だ」と、パパは言った。
第4章 「エラーは気づいた瞬間に直すのが、最速で最良だ」と、パパは言った。
第5章 「ムダにはムダの意味がある」と、パパは言った。・・・・あとは読んでのお楽しみで。