【Book】ヤバい社会学/スディール・ヴェンカテッシュ


ヤバい社会学(Gang Leader for a Day: A Rogue Sociologist Takes to the Streets)

「ヤバい経済学」の1パートに登場していた噂の社会学者、スディール・ヴェンカテッシュ(Sudhir Venkatesh)
「ヤバい経済学」がこれまでの経済学とは違うアプローチで売れたので、おそらくこのタイトルがつけられたのでしょうね。しかし、「ヤバい経済学」の社会学版を期待すると大きな間違い。本作にはどこかで日本での自分の人生に活かす、なんてものはほぼ皆無といっていいでしょう。

現代のギャングビジネスの実情を、学生、のち研究者が本人も離れるタイミングを見失いそうになりながら体感した記録です。

ギャングの手下をうまくまとめる方法
ギャングでのし上がるポイント
ギャングが投票登録を住民にすすめるワケ
ギャングを逆に利用する住民のボス(女性)のシノギ方

など、日本に限らず、一般市民には縁がないこの世界の仕組み。それらを彼らの中に飛び込んで、明らかにしています。もちろん、この例はシカゴのある地域のあるチームの例であって、隣のチームではまた別の方式がとられていた可能性もあります。

本作が売れたからでしょうか、旧作が翻訳され「アメリカの地下経済 ギャング・聖職者・警察官が活躍する非合法の世界」のタイトルで7月30日に発売予定。こっちのほうが学問的っぽいスタイルと推測。

筆者はインド系アメリカ人で、彼らのもとに通い始めた当時はデッドヘッズスタイルで、頭はドレッド・・・
読み終えて一番見たくなったのは、彼の当時の写真です時々ウインクペコちゃん

スディール・ヴェンカテッシュ(Sudhir Venkatesh)公式HP
http://www.sudhirvenkatesh.org/



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