【Book】タイム・トラベラー タイム・マシンの方程式を発見した物理学者の記録/ロナルド・L・マレット

最近本を読むものの、当たりがなく・・・

昨年末に読んだ本についてご紹介を。


タイム・トラベラー タイム・マシンの方程式を発見した物理学者の記録

ロナルド・L・マレット (著), ブルース・ヘンダーソン (著), 竹内 薫 (監修), P.M.Ken (写真), 岡 由実 (翻訳)

私は完全文系人間です。

中学で化学の授業が始まり、「水兵リーベ・・・」と覚えたところまでよかったのですが、化学式のあたりで早々に脱落。
塾の先生に質問しても「何でこうなるのかわからへん」といったところ「そうなるんやから、そういうもんや」と返され、根本的に脳の方向性としてフィットしないんだなぁと諦めた次第です。

ただ、どうしてそうなるのか?を追求する人の話を聞くのは大好きです。
良く言えば物事へのアンテナが敏感、悪く言えば気が多いものからすると、一つのことにフォーカスして何年もかけて目標を追い求めていき、かつ結果を出せるなんて本当にすばらしいことだと思うのです。

そして、その何年もかけた結果を、本を読めばほんのわずかでも学べるのではないか?
それが数時間でできるなんてなんてラッキー!!!

…すみません、浅はかな考えで。
でも、ご本人がその過程を公(おおやけ)にしていて、私たちはその恩恵をいただくことができるのだから、小さな脳みそなりにフル回転して、学ぶ姿勢は持っておきたいのです。

さて、今回の「タイム・トラベラー」は、素粒子タイムマシンの実験の研究を行うロナルド・L・マレット博士(Dr. Ronald L. Mallett)の自叙伝です。

彼を突き動したのは
子供の頃に亡くなってしまった大好きなお父さんにもう一度会って話がしたい
という思い。

もし会えたときに言いたい言葉もシミュレーションします。
大人になった自分を見て驚かせずに、どうやって体を大事にして、病院にいくことを促そうか…、電気技師だった父ならば自分がタイムマシンでやってきたことを理解してくれるだろうと。

結論としては、彼が発見したタイムトラベルの理論は、未来に行くことはできても、過去には戻れないと証明してしまいます。彼の長年の夢は、自ら発見した理論により適わないと打ち消されてしまうのです。

そこに至るまでの理論は正直にいうとすべては理解できませんでした。
でも、多くの人と理論を交わし、戦わせ、自分の考えをまとめあげていくという過程は、文系の人にぜひ読んでほしいところ。

彼が読んだ本やそれを見つけた場所、出会った人々、感銘を受けたアインシュタインの逸話や、ホーキング博士との交流など、タイムトラベルの研究を進めていく一歩一歩の歩みをなぞるうちに、人の歩みは無駄もあるけれど、次につなげようという信念を持ち続ければそれは必ず何からの意味へといつかどこかでつながるんだのだと証明しています。

(監修者序文より)
父親の突然の死という悲劇が、ひとりの少年を襲った。 悲嘆にくれる中、彼はSF小説『タイム・マシン』と出合う。

「そうだ、タイム・マシンがあれば、もう一度パパに会えるんだ」

その日から、少年の目標が定まった。「科学者になって、タイム・マシンを製作する」ことだ。 貧困、鬱・ひきこもり、人種差別の中、少年は着々と夢に向かって突き進んでいく。
数多の失敗、挫折を重ねた末、黒人初の物理学博士となる。 そして、ついにタイム・トラベルを可能にする「方程式」を発見した。 本書を読み終えて、いくつもの感動を味わった。
まず、アインシュタインの重力場の方程式において、レーザーの影響を考慮すると、時空が歪んで、しまいには過去と未来が「くっつく」ことに驚かされた。これまでにも宇宙ひもやワームホールといった、存在するかどうかわからない架空の前提にもとづいて、タイム・マシンを論じた論文はあった。しかし、マレット博士のように、現在の地球上で調達できる部品を使ってタイム・マシンを作る方法を発見した物理学者はいなかった。

つまり、この本に書いてあることは、人類初の「実用的」なタイム・マシンの原理なのだ。そして、その原理は世界中の重力理論の専門家たちが正しいと認めている。  もうひとつのさらに大きな感動は、マレット博士自身が歩んできた人生だ――。

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