【Book】シューマンの指 /奥泉 光

久々に読んだ本について更新。

シューマンの指 /奥泉 光

この小説は数ヶ月前に読んだものです。

本って読んだ記憶があっという間に消えてしまうものもあれば、自分の中にしこりのように残るものも。

自分の心にフィットせず、苦労してゴールにたどり着いたものほど、そのしこりは強く感じられます。

この「シューマンの指」には、タイトルの通り、音楽家シューマンの曲を始め、さまざまな音楽家、楽曲、その歴史的背景がそこかしこに登場してきます。それが複線となっている部分なので、読み飛ばすわけにもいかず、頑張りました。

…正直、クラシック音楽は学校の教科書と映画音楽どまりの私にとって、厳しい作品でした。
サスペンスのトリックとかは面白い「はず」なんだけど、そっちよりも音楽の話が気になって入りこめず…

逆にいうと、クラシック好きで、曲名を読むだけでその音楽が頭のなかで「鳴る」人はどんな風に読めるのでしょうか?
自分の経験値の低さを残念に思う一方で、自分の得意なジャンルだと別の状況が起こるはず。
すべてを網羅することは不可能なのですから、まぁ、これも縁なのねとごっくんと自分の消化不良をのみこんでおきます。

しかし、最後の展開、ちょっと使い古され感が…講談社の100人の作家に100冊の書き下ろしって成功だったのでしょうか。疑問。

ちなみに、店員さんはこの表紙の血のデザインを汚れかと思って、ふき取ろうとしてくれました…(笑)

<紹介文>※Amazonより引用
シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――。

シューマンに憑かれた天才美少年ピアニスト、永嶺修人。彼に焦がれる音大受験生の「わたし」。卒業式の夜、彼らが通う高校で女子生徒が殺害された。現場に居合わせた修人はその後、ピアニストとして致命的な怪我を指に負い、事件は未解決のまま30余年の年月が流れる。そんなある日「わたし」の元に、修人が外国でシューマンを弾いていたいう「ありえない」噂が伝わる。修人の指にいったいなにが起きたのか――。

野間文学賞受賞後初の鮮やかな手さばきで奏でる書き下ろし長編小説。

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