「吉野材」を使った「暮らしの道具」デザインコンペで考える、受賞したければ守るべき基本ルール

新しい才能の発掘のため、さまざまなジャンルでコンペティションが行われていますが、昨日行われたのが“「吉野材」を使った「暮らしの道具」デザインコンペ”の審査会。

こちらは、奈良県が展開する、“吉野地域の地域産業の活性化を目指す「Yoshino Heart プロジェクト」”の一環として開催。
最終選考まで残った入賞者15名のうち、14名のプレゼンテーションののち、審査会が行われ、最優秀賞と各賞の発表が行われました。

最優秀賞に選ばれたのは、東京都在住の吉冨寛基さんの「割り鉛筆」。

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受賞者の吉冨寛基さんと奈良県農林部長の冨岡義文さん、林野庁木材利用課長の池渕雅和さん。

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そのほか、入賞作の一部をこちらにてご紹介します。

もちろん、すべて吉野ひのきを使ったものです。

●フラワーオーナメント(坂本尚世さん・滋賀県)

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左●一輪ざし<そよそよと>(大塚聡さん、三浦寛滋さん/東京都)
右●ひのきカーテン(久万奈都子さん・東京都)

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左●ランチョンボード(南政宏さん・滋賀県)
右●折りたたみ式スツール(平瀬祐子さん・福岡県)

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左●つり革(飛嶋昌宏さん/奈良県)
右●お皿(飛嶋昌宏さん/奈良県)

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左●ビーズバッグ(ninkimono!菅野亘さん/大阪府)
右●ゴミ桶(今泉泰昌さん/神奈川県)

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審査委員長の日経デザイン編集長の下川一哉さんによると、今回の応募総数は200超。そこから選び抜かれた15点から最優秀を決めるポイントのひとつは、「市場ニーズに合った商品戦略」だったと言います。

素朴な疑問だったのは、かなり大きな作品を提出した人がいたこと。
この賞の入賞者には、中川政七商店にて流通する予定という特典があるにもかかわらず、です。

中川政七商店は和テイストのライフスタイルアイテムを販売するお店です。ショップの大きさは、奈良の本店を除けば概ね小規模。そこに置ける商品を考慮しないと、まずは受賞はないと考えるべきなのに、家具セットを提出したデザイナー氏は、何を考えていたのでしょうか。

アート作品のコンペならば、自分らしさを存分に発揮するのは当然。でも、これは最終的に「商品化」という目的がある「暮らしの道具」のコンペ。家具って道具ではあるけれど、気軽に買えるものではないですよね。ましてや、奈良が誇るブランド木である吉野材。値が張ることは確実です。

本当に賞を狙っているならば、このような作品を提出するべきではない。これは作品のコンペでありながらも、同時に今後商品を一緒に作っていく才能を選ぶコンペで。そんな自分本位の考え方しかできない人と、いい仕事ができるかとは考えにくいですよね。

受賞作である割り鉛筆はデザイン性はもちろん、価格も手頃、かつ、間伐材で作れるエコな商品。
発売が楽しみですね。

http://heart-tree.com/kurashi/index.html

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そして、これもどこかになくしちゃったよ…



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