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【Book】アレックスと私/アイリーン・M・ペパーバーグ

鳥頭、というと、覚えたこともすぐに忘れてしまう、頭がよくない例えとして使われる表現です。

しかし、少し大きめの鳥を飼ったことがある人ならば「でも結構賢いよ」という経験があるのではないでしょうか。

鳥は決して賢くないわけではなく、人の言葉をちゃんと教えてあげればその力を発揮する生き物なのです。
(残念ながら、我が家で飼っていた九官鳥のキューちゃんは、うちの父が母を呼ぶ「サッコー」を連発するのみでしたが…)

それを証明すべく、数や色の概念を教えられ、相手に適宜ふさわしい言葉を会話のように投げかけることができたヨウムがいました。
アレックスと私/アイリーン・M・ペパーバーグ

彼の名前はアレックス。2007年に惜しまれつつこの世を去った、世界的に有名なヨウムです。

学術的な内容については「アレックス・スタディ―オウムは人間の言葉を理解するか」でまとめられているのですが、この本はアレックスの死後届いた数々の熱い手紙をきっかけに、アレックスとの思い出を振り返ったものです。

オウム科のヨウムのアレックスは、「鳥はバカではない」ことを学術的に証明するべく飼育されます。
孤独な幼少時代をすごし、鳥が友達だった科学者のアイリーンは、自分が学んできた分野ではない生物学の分野にアレックスとともに踏み出してからの30年の当初は「鳥に知能がある」ということを研究していること自体頭がおかしいと考えられていました。

胡桃大の大きさしかない脳でも「考えて話すことができる」を証明するため、敢えてクールにアレックスと向き合うアイリーン。そんな彼女や学生たちに対し、まるで王様のように尊大な態度で言葉を繰り出すアレックス。

鳥のなかでは比較的賢いヨウムを選んだとはいえ、アレックスはちょっと意地悪で怒りんぼ。
自分がナッツを食べたければ「ナッツをくれ!」と要求し、それでももらえなければ「n・u・t!」と、まるで相手がつづりを理解していないかのようにふるまうことができるヨウム。

Youtubeでalexと birdまたはparrotとキーワードを入れるだけでたくさんの動画が候補にあがります。
以下の動画は、彼の悲報を伝えるニュース番組で、在りし日の彼の姿を見ることができます。

ちょっとムカつく振る舞いをしながらも、他のヨウムに親分肌を発揮したり、背が高くて髪が長めの男性が好きなアレックス。

いま鳥を飼っている人はもちろん、生き物に興味がある人ならば楽しく読める1冊です。

アレックス財団の公式ホームページによると、アイリーン博士は9月に来日し、慶応大学で開催される「Animal 2011」に出席予定だそうです。

<Amazonより>
「マタネ。愛シテル」それが最期の言葉だった。2007年9月、アレックスという名の天才ヨウム(オウム科)が31歳の若さで亡くなった。「鳥は“思考して話す”」という驚愕の事実を証明して―。CNN、ABC、タイム誌等で話題、全米に感動を巻き起こしたノンフィクション。これは女性科学者と鳥の、愛と苦悩と発見の記録である。

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10年来の友人watoが関わったムックです。食べ物ブロガーさんは必読の一冊



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