【Book】経理部って何してるの?がちょっとわかる「会計ドレッシング」

就職活動をする学生の人に会うと、どんな部署に行きたいの?と聞くと、9割方が「企画」または「広報」。
まぁ、仕方ないですよね。会社のことを知るきっかけは好きな商品やサービスなわけで、それを作る人やみんなに知ってもらう職業になりたいのは至極当然の望み。

某社で広報をやっている男子によると、彼は以前は同じグループ会社で別の業務に従事していたのですが、いま広報になったとたん、社内の女子の自分への扱いがかなーり違うとか。
本人のシビアな分析からすると「俺にうまくやっておけば、もしかすると広報に配属されるかも?」という意図をビシバシ感じるそうです。そんなわけないんですがね。

会社というのは工場などを除く本社機能として考えると、6割は営業。企画や戦略なんていう部署は2割、残りが総務や経理などの管理部門でしょうか。
そう考えると、総務や経理に配属されるのってどんな基準なのでしょうか?経理は、簿記を持っているとか、数字に強そうな学歴は関係あるのでしょうか。

そもそも、経理部門は、自分たちの日常の経費生産がある締め日以外は、どんなことをしているのか?
なかなかわかりにくい経理という部署ですが、実は会社の明暗を握っている部署なのです。


会計ドレッシング/村井 直志 (著)

この本では、そんな経理部門やそれにまつわる決算のミスなどの会社をまわすためのお金の問題で起きた「不祥事」を解き明かしています。

その資料となるのは、すべて会社が事件発覚後に発表した内容のみ。
インサイダーからの情報や、業界に詳しい人の話は一切なし。公式のリリースや数字を手掛かりに、公認会計士である村井直志氏がまるで安楽椅子探偵のように解き明かしていきます。

ちなみに、ドレッシングとは「粉飾」という意味で、よくニュースで登場する「粉飾決算」をさしています。

登場する企業はノリタケ、林原、ローソンエンターメディア、広島ガス、近鉄、フタバ産業、メルシャン、JVCケンウッド、本田技研工業…有名どころばかり。

こんなことにならないように、がっつり監視し、会社を守る。
そう見方を変えると、経理も格好いいな!と思うのではないでしょうか。

ただし、学生の皆さん。間違っても一般企業で「経理に行きたいんです!」とアピールしすぎるのは不思議な感じがするのであまりおすすめできません。お金が好きならば、銀行や証券会社に行けよって話ですからね。実際に経理に配属された人ってどうして配属されたのかを知りたいですね。私の身近には残念ながらいないので・・・

そして、その解決と予防のレシピが事例ごとに紹介されています。
経理、そして人事部の人は必読。

【これまでにアップした本・雑誌・漫画に関するトピックス】
●【Book】半径10mの人間の本性が一番怖い 「悪の教典 上・下巻/貴志祐介」(2011.12.11 Sunday)
●【Book】アレックスと私/アイリーン・M・ペパーバーグ(2011.07.22 Friday)
●【Book】シューマンの指 /奥泉 光(2011.05.29 Sunday)
●男の頭の中にはセックス以外は何があるのか?英国のベストセラー「What Every Man Thinks About Apart From Sex」の中身は…(2011.03.10)
●【Book】謎解きはディナーのあとで/東川篤哉(2011.02.12)
●【Book】タイム・トラベラー タイム・マシンの方程式を発見した物理学者の記録/ロナルド・L・マレット(2011.02.11 Friday)



CULTURE】の最新記事