てすと

【Book】自己意識過剰なヒロイン男・伊藤くんをめぐる自分探しの旅の果て 『伊藤くん A to E/柚木麻子』


伊藤くん A to E

伊藤くんのスペックは

身長169cmぐらい
そこそこきれいな顔立ち
28歳
大手予備校の講師→でもアルバイト。実家がお金持ちで、ここもその親戚の経営
シナリオライターになるのが目標→でも1本も書き上げない
俺はモテてるし、今年は4人の女から好かれた → 27歳で童貞で脳内恋愛型。ストーカー的な行動もあり

こんな男を好きで何年も片思いを続ける自分磨きは完ぺきな女の子の視点から始まるお話です。

視点がAさんなのかBさんなのか、変化することにより、伊藤くんをはじめとする登場人物たちの「リアル」が浮かび上がるという仕掛け。
女性向けファッション誌「GINGER」で連載されていたものをまとめているそうですが、こんな気持ち悪い男の話がOKなのは、女子の痛い気持ちに共感しちゃう人が多いからでしょうか。

伊藤くんというとても痛い男に、彼の欠点を知りながらも関わってしまう人たち。
伊藤くんは触媒として、現状維持をよしとする一歩が歩みだせない人たちを変えていきます。伊藤くんの薄っぺらさを知るなかで、自分自身のダメな部分を合わせ鏡のように見せつけられるのです。

私が最も苦手とするのが伊藤君のような人。

よく寄ってこられるのも伊藤君のような人です。

彼らは自己肯定のために、私にいろいろ言って、「すごいね」「がんばってるね」「大丈夫だよ」って言ってほしい感をアピールしてきます。残念ながら私がその期待に応えることはなく、逆に滅多打ちにしてさくっと返り討ち。時間は有限ですし、自分の彼氏でもない男に付き合いきれませんから。

「自意識過剰」という言葉がありますが、伊藤くん的なさらに上をいく「自己意識過剰」タイプにどうやって現実を突きつけるか。早めの処方箋やワクチンの与え方は、結局1つや2つじゃない避けられない直言をバシッと与えることなんだろうな、とふと思ったのでした。

自分の言動の言い訳じゃないっすよ(笑)

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