博多織のOKANOがオールジャパンメイドのスカーフで銀座から世界に 【GINZA SIX】

GINZA SIXでは日本の伝統文化を世界に発信することも1つのテーマになっているのですが、直球の和文化のお店は意外と少ないのです。

こちらはそんなレアなお店のひとつ、OKANOさん。

1897年に創業した博多織の織元で、今年は120周年のアニバーサリーイヤー。

これを機に、博多織のみならず、オールジャパンの卓越した染織技により制作されるジャパン・スカーフやKIMONOを世界に向けて発信していく「KIMONO Production OKANO」として大きく羽ばたくために、旗艦店としてGINZA SIXに出店することを選んだそうです。

そのため、大きなキーアイテムとなっているのが、スカーフ。

 

■12版を重ねて表現するスカーフ「KAI」

今回の出店にあたり、大きな看板商品として打ち出されているものの1つが、この「KAI」シリーズ。

※人が多くて写真がちゃんと撮れず、早い時間から入っていた亜津子女史に一部写真をいただきました。

KAI(回)という名前は、「独鈷(とっこ)」という密教の法具をコロコロと回転させてできる博多織の紋様(独鈷華皿紋様)から名付けられています。この独鈷の数によって、シリーズ名が違っていて、上の写真の3つあるものが「KAI BASIC ONE」。サイドに縦のラインが加わった「KAI BASIC THREE」、独鈷が5段になっている「KAI BASIC FIVE」があります。

最大の特徴が、この細いラインがくっきり出ているところ。直線的なデザインを12もの版で表現するためには、0.1㎜のずれも許されません。この刷は、京都の工房で行われていて、染色は横浜、最後の仕上げは青森と、各地のプロフェッショナルの手を経たオールジャパンメイド。

 

■1人の職人が京都の水でぼかし染めした「UTSURO」

こちらは、もう1つの押しのスカーフ。先のスカーフが複数の職人の手を介しているのに対し、こちらは完全に1名の職人が刷毛(はけ)を使った暈し染め(ぼかしぞめ)技法を用いて作っているそうです。

ビビッドカラーにうっとり・・・。

薄いトーンのグラデーションも素晴らしく。お値段はちなみに10万円です。

こちらは厳格なルールではなく、その水につけた際の動きなどでも色の位置が変わるし、暈し(ぼかし)のにじみ具合は、1点1点微妙に異なっています。つまり、世界でたった一つ、自分だけの一枚を選ぶことに。

 

このほかにも、うっとりする美術品級のスカーフが並んでいます。着物を着る機会が減っていても、着物の技術を生かす製品が売れれば、技術者の育成にもつながります。もっとこの素晴らしさを伝え、残していきたいものです。

こちら、価格を2度見したのですが、128万円でした・・・。

もちろん、着物も販売しています。美術品レベルの着物、購入される方はどんな帯と合わせるのでしょうか?一式合わせて購入するんだろうなぁ・・・。

 

レセプションパーティでは、戦友といえる友、西端真矢ちゃんにも遭遇。私はだいたい視野が狭くてぼんやりしているので、今回も見つけてもらいました。

真矢ちゃんはクロワッサンや婦人画報などで着物をキーにした記事を担当しています。大好きな友達が活躍しているのって、嬉しいのはもちろん、自分ももっと頑張らねばと気合が入ります。

PARTY DRINKは福岡県久留米市の「山口酒造場」の「庭のうぐいす」と「はなびえ」という日本酒でした。

 

OKANO GINZA SIX店

住所  〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 4F
TEL   03-6274-6286
営業時間 10:30 ~ 20:30
定休日  施設カレンダーによる
取扱商品 ファッション小物・着物・和装小物・各種メンテナンス

 



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