YouTubeで話題になったこの映像、見た人はぜひ。
見ていない人もぜひ。
私は何度見ても1分ぐらいでボロボロ泣いてしまうこの映像。
クリスチャンを飼っていたアンソニー・バークとジョン・レンダルが過去の日記などを振り返りながら記したのがこの本。
ライオンのクリスチャン―都会育ちのライオンとアフリカで再会するまで
作中によると、1970年代初頭のロンドンではハロッズデパートの売り場で普通にライオンが売られていたそうです。
彼らの友人が冗談で「ラクダが欲しいんだけど」と言ったら「ひとこぶですか?ふたこぶですか?」と返ってきたという逸話が!
もちろん個人がライオンを自宅で飼うなんてことは当時でもよくあることではないものの、ゴリラやピューマを買う人物も多かったようです。
この映像がYouTubeによって再び広まったことにより、再び注目を集めたクリスチャン。
彼についての真実を、30年以上経ったいま、アンソニーとジョンが振り返ったのが本書です。
映像中で「クリスチャンとの再会が1回だった」とされていますが、実は2回が正しいなど、メディアで報じられたことの間違いを正しています。
なんといっても、クリスチャンとアンソニーとジョンの間に生まれた信頼関係! 映像のような関係を築くまでに彼らがどんな風にクリスチャンに接してきたのか、ライオンを飼うとはどういうことなのか? 現代ではありえない時代の「自宅でライオンを飼う」ことの記録としても面白い本です。間に挟み込まれたクリスチャンの成長記録の写真が可愛すぎて、これだけ写真集としてもいけるのではないでしょうか。
ちなみにクリスチャンをアフリカに返すのに協力したのは「野生のエルザ」の原作者(元夫妻)のため、彼らが本と映画のヒットによって名声を得たその後についても書かれています。なかなか過酷な人生の終わり方だったのですね…。両者ともに凶弾に倒れているそうです。