【試写】見目麗しい青年たちは眉間に皺が寄っても美しい 「秘密 THE TOP SECRET」

少女漫画原作モノの映画化はもともとのファン層とキュンキュンしたい女性層をうまく取り込み、ヒットの定石になっています。これは私が学生だった石器時代からも存在していましたが、最近のものはむしろ原作なしを探すほうが大変。少女漫画原作のラブストーリーは「壁ドンムービー」などと呼ばれているそうです。

そんな流れがありながらも、私が今回試写会で観てきたのはちょっとムヅカシメの少女漫画原作モノ。
秘密

生田斗真さん、岡田将生さん主演の『秘密 THE TOP SECRET』です。

 

原作は美麗な絵とちょっと不可思議な世界観の物語を紡ぎ出してきた清水玲子先生。かぐや姫伝説がモチーフになった『月の子』、リアルタイムで月刊LaLaでの連載で読んでいました。

『秘密』は一旦連載終了したものの、現在はSeason 0となって月刊メロディで連載中。

melodyメロディ8月号

 

 

この映画の試写状が届いたとき、「なんて美しい人々・・・」と思わず口に出してしまったのですが、原作ファンとしては清水玲子先生の作品の登場人物って漫画のなかでもさらに上のランクの美しさで、実写化は難しいと思っていたから。

そして、実際の映像のなかでも・・・美しかった! 生田斗真さんのちょっとバンパイアっぽい血の気のない「薪 剛(まき・つよし)」や、TVドラマでへたれ役をやっていた人と同一人物とは思えない岡田将生さんのスタイリッシュな「青木一行(あおき・いっこう)」。そこのこの2人に比べるとキャリアは短いものの、急成長を見せる松坂桃李さんがキーパーソンとなる「鈴木克洋」を演じるわけです。もう、壁ドンなんか目じゃない、心臓ぐいっ級にスクリーンにくぎ付けです。

映画は、そう遠くない近未来の警察組織。被害者の「脳に残った記憶」を映像化し、迷宮入りした事件を捜査する警察庁の特別機関「第九」。

脳内操作により声なき死者の最後の様子を捜査員が覗き見、それを映像化するのですが、ある事件をきっかけに家族を惨殺した露口浩一(演:椎名桔平さん)の死刑執行後の脳内を記憶を調べると、真犯人は別にいて・・・。そこから迷宮入りとなった事件へと再び対峙することに。

映像も美しいし、出演陣も脇役まで有名な方&演技派ばかりでとてもスタイリッシュ。第九の面々はアシンメトリーになっていたり、背中のストラップ部分が複数あるちょっとアクセントのあるベストをインに着たタイトなスリーピースのスーツで、これまたスーツフェチにはたまりません。とりわけ岡田くんの足の長さを強調したあおりカットはたまらんー!

要注意の点があるとすれば、脳内記憶を観るために、遺体の頭部を輪切りにして頭蓋骨をぱかっとはずすシーンが何度も出てくるところ・・・。グロいのが苦手な私は目をつぶって「うー!」と待つ・・・。ホラーとかもだめなんです。それがOKであれば、テレビよりもスクリーンで観た方が世界観にどっぷり漬かれるのでおすすめです。

劇場公開は2016年8月6日(土)です。

 

次ページではちょっとネタバレあり。作品へのちょっと注文です。



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