【漫画】ニュータイプ嫁姑マンガ「嫁姑の拳」に見る、レディースコミックの変貌

久々に漫画に関するブログアップ。

今回お勧めしたいのは、いわゆるレディースコミックです。

これまでにアップしている西村しのぶなどが執筆するKissなども大人女子向けでレディースコミックのカテゴリに入れるべきなのかもしれません。でも、私のなかではあっちは「おしゃれ大人女子コミック」。
私の脳内カテゴライズの「レディースコミック」とは絵のスタイルからして違います。

レディースコミック=女性自身で連載していた「悪女聖書」というイメージが焼きついているのかもしれません。
そう、歯医者の待合室でドキドキしながら読んだこの作品で「魔性」という言葉を覚えたのでした!
コロコロコミックしかなくて、ゲームセンターあらしには興味が持てなかったことからのデビューだったなぁ。。。

時代は変わり、レディースコミックは魔性モノ以外にも女性キャリアアップもの(ドラマ化された「悪女」など)、大人の恋愛モノ、さわやか不倫モノなど新ジャンルや新しいスタイルの作家の方も増えているようです。

しかし、なんといっても一番のメインは「嫁姑問題」。

このジャンルはレディースコミック界でははずせないようで、嫁姑問題だけのコミック誌も存在するそうです。
実際に友人が義妹が愛読しているのを目撃し、「うちのお母さんと仲がいいはずなんだけど…」と軽く家族間に波紋を呼んでいるので、扱いにはくれぐれも注意が必要です。

そんな永遠のテーマである嫁姑問題という素材で新境地を開拓したのがこの漫画。
「嫁姑の拳」。

嫁姑の拳
(秋田レディースコミックスデラックス)

嫁と姑の喧嘩の原因となる発端も、旦那に出す食事の話や子供の教育問題、働く嫁への愚痴と非常にオーソドックス。

しかし、そこに加わるスパイスがハバネロ並みに強烈!
嫁はマーシャルアーツ、姑は合気道の師範といずれも武道の達人のため、口と同じぐらい手が出るうえ、互角に激しく肉弾戦を繰り広げます。その度合いはかなりのもので、そのリングとなる台所は毎回破壊されます(そしてすぐに復活。誰が直しているかなどの細かい点は割愛されている)。

ルールは、夫と娘の前では戦わない。それだけ。
ねちっこい言葉のやりとりで始まりながらも、途中からはタイトルのベースに明らかになっている名作漫画「北斗の拳」並みの拳が繰り出されます。
絵柄がレディースコミック界にいい意味で個性的ではないのですが、デッサンや背景などがGペンでシャープに描かれる確かな画力。真面目なスタイルとすぐに拳で対話してしまう内容のギャップにハマってしまうのです。

嫁と姑はつまらないことでお互い拳を使うだけでなく、痴漢騒動や下着泥棒などの犯罪から、友人関係の解決まで街のさまざまな問題にもその力を発揮します。いざという時には協力しあう二人の関係、これを映像化するとなると姑は野際陽子しか思いつかない。それじゃあまんま「ダブルキッチン」…。

レディースコミックでありながら漫画の基本のキに戻るような肉弾戦の表現。
未読の方は並んでいるコーナー的に(特に男性には)ちょっと勇気が必要でしょうが、ぜひ読んでみてください。

【これまでにアップした漫画に関するトピックス】
●【漫画】3月のライオン/羽海野チカ(2009.09.06 Sunday)
●【漫画】西村しのぶ『ライン』に癒される(2008.06.14 Saturday)
●【漫画】ヴァムピール/樹なつみ(2008.06.04 Wednesday)
●【漫画】聖☆おにいさん(2008.02.06 Wednesday)



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