聞香と雛の会@草門去来荘 前編

週末はかねてより体験してみたいと熱望していた「聞香」の会へ。

聞香は、「もんこう」と読みます。

会場は、東京都東村山市にある草門去来荘の一室。

草門去来荘は、この日同席させていただいた際コーポレーション社長の中島武さんのご実家だった場所だそうです。

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香道というと華道や茶道のように和室で行われるものかと思っていたのですが、そう厳密なルールはないそうです。

今回は香道「源氏香」を体験してきました。

講師は、中尾和子先生。
日本でも数少ない香道研究家で、室町時代の東山文化創立に貢献した能阿弥・芸阿弥・相阿弥の三代より500数十年
日本文化芸術の鑑識、指導に携わった中尾家25代目夫人。国内外で香道普及のため尽力されている方です。

中尾先生によると香道の発祥は古く、7世紀頃。仏教徒ともに宗教儀式として伝わってきたそうです。
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今回のテーマは「梅花香」。

証歌(会のテーマソングのようなものだそうです)には、新古今和歌集より藤原家隆が詠んだ

「梅が香に 昔を問えば春の月 こたへぬ影を 袖にうつれる」が選ばれています。

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まずは、試香として、「梅が香」と「春の月」という2つの香りを聞き、覚えます。
その後、本香では5回のうち、「梅が香」と「春の月」がそれぞれ2回、それに試香していない「袖」という香りを混ぜた計5炉を聞いていき、どれがどの香りかを当てるのです。

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皆、真剣です。

ちなみに、全部当たると「梅花」、はずれが1つでもあると「月影」、一つも当たらない人は「涙」となります。

全員の回答用紙を回収し、アシスタントの方が採点表を作っていきます。
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この採点表も、古いものは美術館や博物館に展示してあるそうです。

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こちらは、今回使用したものではないのですが、持参してくださったお香の数々。
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なんと、香木も!!!
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そして、今回参加者全員が感動したのが、後水尾天皇に入内した徳川和子(2代将軍徳川秀忠・お江の娘)が使っていた「緑」(みどり)というお香を聞かせていただけたこと。

香木は1本に名前がつくと、別のものには同じ名前はきません。
今回の香木は、和子が持っていたものから切り取られたうちの一片で、今回330年前の人と同じ香りを感じることができたのです。

そんな貴重な、先生の手元にご縁があってめぐってきたものを、特別に聞かせていただきました。

この香りを道具に焚き染めてお嫁入りしたのでしょうか。

後編に続く



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