自分の名前を検索エンジンにいれて、自分について書かれていることを探すことを「エゴサーチ」といいまして。
私の場合、フリーになる前にエゴサーチをかけたら、某ニュースサイトに
「東北の祭りで踊る北本祐子さん」
という謎のキャプションで女性が紹介されている記事を発見し、「このままではこれが私になってしまう!」と危機感を覚えたことから、ネット上での名前の露出の重要性を感じ、自分のブログを実名で書きはじめました。
おかげさまで、「北本祐子」と入力するとGoogleでは1位にこのブログが表示されます。まぁ、それが自分の評価を高めることにつながっているかといえば、疑問ですが・・・。
いまアメリカで物議を呼んでいるのが、2015年11月にローンチ予定のこのアプリ。
この「Peeple」とは、レストランや映画の評価のように、個人の評価をつけるというアプリケーション・サービスなのです。
開発したのはNicole McCullough(二コール・マックローグ)とJulia Cordray(ジュリア・コードレイ)という女性2人組。
上記のワシントン・ポストを始め、多くのメディアでは「人間版Yelp」(Yelpとは日本でいう食べログのレストラン以外の店舗なども評価対象としているサイト。日本にも上陸済みです)と呼ばれているようなのですが、いじめにつながるのでは?と物議を呼んでいるのです。
現在はβテストの段階ですが、評価を書き込むには、Facebookを本名で使っていることと、少なくとも21歳であることが基準となっている模様。でも、FBを使っている人ならばわかるでしょうが、誕生日設定なんて嘘を書き込んで表示しないようにすればあってないようなもの。
高い評価については即時書き込み、低い評価については一定の時間を経てからの掲載に。また、対象となる個人の特定には携帯電話の番号が使われるなど、開発者側も個人との紐付けについては配慮しているようですが、このような個人の尊厳にかかわるデリケートなサービスを、たった2人で始めた企業が管理できるかというのも疑わしいところ。
すでにセレブリティなどがリリース反対を表明したり、ネットの投票サイトでもリリース停止をAppleに訴える賛同者募集(「Ban the launch of the ‘Peeple’ application.」)が行われています。
まぁ、見た目での話になっちゃうのですが、開発者の2人の写真を見る限り、いじめられるという発想を感じてこない学生生活を送ってきた「Aチーム」所属なのでしょう。反対意見に関してもどこ吹く風な模様。
しかし、アメリカ国内でもネガティブな反応が大きく、彼女たちは自分たちの制作過程を宣伝するムービーを作り、拡散させる戦略を用意していたものの、すでに削除。今後これがAppstoreやAndroidマーケットで販売されるのか、それとも立ち消えになるのか・・・現状はβテストが続いているようです。
ちなみに、Peepleという名前はすでに別の商品に使われていて、今回の件で誤解した人たちからの問い合わせが殺到し、大変な被害を被っているようです。
他人からの評価、ということで思い出したのが、中学3年生のときの卒業式の日のこと。
そのとき20代の担任が明かしたのは、このクラスはそれまでの2年間で「いろいろあった」生徒が集められ、教師3年目の熱血男子教員が引き受けたということ。
金八先生第2シリーズでいうところの「腐ったみかん」になる前の、「取り扱い要注意なみかん」が多く集められたクラスだったわけです。
結局とくに大きな事件も起きず、無事に全員卒業に。
担任からは、クラス全員の前で
「北本とMだけはよくわからなかった」
とのたまわれ、
「あら、私も取り扱い注意だったのか」
と知った次第で。
(ちなみにMくんは前年ほぼ登校拒否だったのに担任が受け持っている技術家庭の授業が1番など成績優秀者だったという曲者。3年生のクラスは楽しかったようでほとんど欠席しませんでした)
「そんなものさしをわざわざ披露してくれなくても、私がみんなとちょっとずれていることは知っているし、さらにもっとずれているうちの両親がなんとか社会でやっていけているんだからええやんけ(怒)」
と心のなかでだけで反論しておきましたが。
いまも思い出してもちょっとムカつきます。
現状のネット上での不特定な方からの評価だけでもみんな万歳!とはいかないわけで、特定できる人から、どうでもいい評価を★つけられて、ネット上にさらされるなんて・・・何がいいのでしょうか。理解しがたいサービスだけに、早くローンチが正式に中止になればいいなと遠く離れた日本から念じています。