出版不況といわれていますが、ヒット作が出ていないわけではありません。
2009年のランキングには入っていませんが、2009年末に売れているのが、女性スタイリストの本。
その筆頭がCanCam、AneCanなどで活躍する亀恭子さんの「美人スタイリスト「亀 恭子」の本。」
美人スタイリスト「亀 恭子」の本。/亀 恭子
1470円
日本ではいつからかスタイリストの●●さんのコーディネートという記事が人気を集めていいます。以前ならば「モデルの△△ちゃん(さん)が着ている服が欲しい」(たとえばエビちゃん)だったものが、いつしかその仕掛け人であるスタイリストの方に注目がシフト。所詮モデルは「着せられている」ということに気がつき、雑誌側もそれを明らかにして仕掛け人自体を表に出しています。
これは、欧米のファッション雑誌には見られない傾向です。アメリカでタレント並みに著名なスタイリストといえば、リンジー・ローハン(Lindsay Lohan)やニコール・リッチー(Nicole Richie)といったセレブのスタイリングを担当したレイチェル・ゾー(Rachel Zoe)がいます。彼女も2007年に著作「Style A to Zoe: The Art of Fashion, Beauty, & Everything Glamour」を出版していますが、この本は彼女のスタイリングした写真などを使用したものではないし、そもそも彼女自身のビジネスラインは雑誌ではなく女優やタレント個人へのスタイリング。日本の例は、ドラマ「SEX AND THE CITY」のスタイリングで注目を集めたパトリシア・フィールドの方が近いですね。
雑誌メディアがその裏方を全面に押し出し、読者の共感を得て、雑誌内ローカルのスターを生み出した、ついにそれを大海原に送り出し・・・その本で出会った新たなファンを雑誌に呼び込む?(←最後はまだ分かりません) まるで鮭の成長過程みたい!
スタイリスト本、そのスタイリングへのこだわりやポイントの解説だけでなく、ライフスタイルや交友関係まで明かされています。一時期のタレントブログ本から派生したタレント・モデルのライフスタイル本が、そのままスタイリストに移ってきたようです。
そして、ここにきて大本命が本を出版。
LIKE A PRETTY WOMAN/風間ゆみえ
1680円
風間ゆみえさんという、雑誌Sweetやグラマラスで活躍するスタイリストの本が先週発売になりました。
私も彼女がプロデュースするブランドの「31 sons de mode」について記事を執筆したことがありましたが、ファンの多さは知っていたので「おお、ようやく!」というような気もします。タイトルにあえて名前が入れず、スタイルブックのようなデザインになっています。私も早速買ってみたものの、印刷の匂いがきつくって、ちょっと寝かせています・・・(笑)
次に出すとすれば、佐々木敬子さんでしょうか? スタイリング以外にも、kitsonのバイイングなども担当されている方です。
さて、このブーム、どこまで続くのでしょうか? 今回ご紹介した2冊は、Amazonでも一時的に品切れ状態になっています。
【過去にアップした関連トピックス】
●ヒットの芽:安くてカワイイ、コンサバ系新ブランドが人気
風間ゆみえさんのブランド「31 sons de mode」が売れているという記事がアップされたときのブログ。