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アンジェリーナ・ジョリーの”治療の選択”とある日本人ジャーナリストの声/ Angerina Jolie’s “My Medical Choice” and a japanese journalist’s voice

久々に「コラム」カテゴリーの更新。

今日のニュースに踊った「アンジェリーナ・ジョリーが乳房全摘出」の文字。

これは本当は正しくない。乳房は結果的には摘出したかもしれないけれども、目的は乳腺というその中身の部分。

たぶん、このタイトルをつけたのは男性でしょう。その男性にとっては、乳房も乳腺も一緒くたの「おっぱい」グループかもしれないが、女性にとっては大きな違いです。(指摘があったのか、多くのタイトルが「乳腺」にその後統一されていますが)

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その告白は、ニューヨークタイムズ紙面にて、彼女自身が記した言葉で明らかに。

乳がんになるリスクを減らすために、乳腺を全て摘出したこと。これで、子供たちに、ママを乳がんで亡くすことがなくなったと言えること。

英語の専門用語はちょっと難しいですが、シンプルかつ真摯な言葉で語られています。

乳がんは若い女性にも多く発症する病気です。近年は「余命一ヶ月の花嫁」など、若くして他界した人自身が語る言葉が広く知られ、認知度もあがってきました。

でも、どこかで、「自分は大丈夫」と思っていたりするのは事実です。

自分以外にも、両親ともに健在の人で、人の死というのがどこか遠いものと思っている人も、多いでしょう。

でも、それはただあなたが確率的にラッキーだっただけなのです。

正直、私は他人事ではありません。

アンジェリーナ・ジョリーが遺伝子検査をしたきっかけが10年間癌を患い続け、56歳で他界した母ならば

私も、母を52歳で亡くしているので、その気持ちは痛いほどわかるのです。

年に1度は人間ドックにいくし、胸や脇下に違和感を感じるたびに婦人科に駆け込んで、検査費と引き換えに、安眠を手に入れます。

明日死んでも後悔のないようにと生きてはいるつもりですが、別に死にたいわけではないので、時折、もし本当に見つかったらどうしよう?と不安にかられることもあります。

今回、ブラッド・ピットの支えがあったことも記されていますが、ぜひ読んでほしいのが、逆の立場の「パートナーが乳がんになった」男性の告白です。

⇒アンジェリーナ・ジョリーの選択(木村 正人 | 在英ジャーナリスト)

とくに男性に読んでほしいエッセイです。

自分が大切に思っている人が乳房を失う手術をしなくてはならない場合、男性側の正直な気持ち、そしてその過程が語られています。

ここで明らかになるのは、恋人とか、結婚とか、うんぬんじゃなく、真の意味でのパートナーになるということ。
書類上や甘い言葉の囁きではなく、お互いが魂でつながる人だと感じること。

真のパートナーシップとは、心を繋いで生きることなのだろうな、と、いまだ未婚の私は思うわけで。

アンジェリーナ・ジョリーは手術を経て、87%だった乳がんの発症リスクを5%まで低下させました。

しかし、忘れてはならないのは、彼女はまだ50%の卵巣癌のリスク(50 percent risk of ovarian cancer)を抱えているということを。

でもきっと、彼女はブラッド・ピットというパートナーと、6人の子供たちとともに、その戦いにも立ち向かっていくはず。

両親の離婚など複雑な家庭環境と、過去の破天荒な恋愛・結婚を経て手に入れた、いまの両手に持つ愛という剣をたずさえて。



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