【MOVIE】扉をたたく人(監督・脚本トム・マッカーシー出演リチャード・ジェンキンスヒアム・アッバスハーズ・スレイマンダナイ・グリラ)

試写にうかがったのは1か月以上前のことです。
もうすぐ公開なのに、あまりメディアに取り上げられていないのがもったいない作品なので、ここで紹介させていただきます。

扉をたたく人」(原題:The Visitor)

主人公は、大学教授のウォルター。コネティカットの大学で教えている彼は、妻に先立たれ、ただ毎日を昨日のコピー&ペーストを繰り返すように生きている。学生への指導要綱も、去年の年度を修正ペンで書きかえるだけ。講義の内容も何年も変えていない、ただ空虚に年を重ねてるのみだった。
ある日、彼は同僚の代理でニューヨークでの学会へ出席しなければならなくなった。久々にニューヨーク所有する別宅のアパートメントへ足を踏み入れると、バスルームには見知らぬ女性が。彼女の悲鳴を聞きつけた恋人に殴られそうになるが、事情を説明して2人が詐欺に会ってこの部屋に住んでいたことを知る。行き場のない二人に同情し、家が見つかるまでの間泊めることにしたウォルター。彼のやさしさに触れた青年タレクは、お礼として彼が生業としているアフリカン・ドラムのジャンべを教える。音楽を通じて心を通わせていくウォルターとタレク。しかしある日、タレクが誤解から逮捕されてしまう。彼は不法移民であったため、その身柄は入国管理局の拘置所へと移され、その審判を受けることになった。逮捕された原因が自分にあると感じたウォルターは、必死に交渉をするが・・・

本作で、主演のウォルターを演じるリチャード・ジェンキンスは2009年度のアカデミー賞にノミネートされています。

ほんわかした心地よさではなく、ずきんという痛みがくる作品ですが、ぜひ劇場で見てください。無理なら、だいぶ先だろうけどDVD化でも。。。

タレクが逮捕されるシーンで、彼は中東系の顔立ちをしていることからテロリストであることを疑われ、厳しい扱いを受けるのですが、実際にも9.11から何年も経った今でもこのような状況は続いているそうです。
アフガニスタン国籍を持つ私の友人も、その国籍のために気軽に海外旅行ができないと言っています。彼の場合は、アメリカ入国に限らないようです。

監督・脚本:トム・マッカーシー
出演:リチャード・ジェンキンスヒアム・アッバスハーズ・スレイマンダナイ・グリラ
http://www.tobira-movie.jp/
2009年6月27日(土)恵比寿ガーデンシネマにて公開。

予告編(日本版)

Trailer

ノミネートに関するインタビュー(字幕なし)



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