作家・早見氏がインタビューで書き下ろした「藤島ジュリー」本が発売に

長らく芸能界におけるアンタッチャブルだったジャニーズ事務所の性加害問題や歌番組の出演などの寡占状態が明るみにしたのはBBC放送の番組からという外圧からでした。

その後、国内でも徐々に報道され、ついにジャニーズ事務所側もジャニー喜多川氏による長年の性加害を認め、賠償を行うことを発表。また、血縁者として事務所にかかわり、ジャニー氏亡きあと事務所の社長となった藤島ジュリー景子氏は職を辞し、今後は一切事務所にかかわらないことを表明しています。

藤島ジュリー景子氏といえば、SMAPのマネージャーとして長年支えていた飯島美智さんの「飯島派」と「ジュリー派」と分かれて、それぞれの担当グループが分かれていたのはよく知られたことで、ジュリー派の代表として知られていた嵐がグループでの活動を終えることを発表したことで今回最初で最後のインタビューに応じ、それを書籍という形で出版する模様。

インタビューを担当したのは人情が滲む作風の小説家・早見和真氏

今回の書籍化にあたり、インタビューを担当した人が著作者名になっています。

過去の芸能人による告白本でパッと思いつくのは郷ひろみさんの「ダディ」、石原真理子さんの「ふぞろいな秘密」、さらに古いところでは長門裕之さんの「洋子へ…」が思い浮かびますが、いずれもゴーストライターが手伝ってはいたと思うのですが、著者名はご本人。

今回はその形式を取らず、小説家の早見和真(はやみ・かずまさ)氏のインタビューに答えるという形になっているようです。

早見氏の作品でこれまでに読んだことがあるのは書店員の悲哀をコミカルに描いた「店長がバカすぎて」シリーズ2作。現場の書店員さんたちの支持を受けて、本屋大賞にも輝いています。

近年作では、ドラマ化もされた「笑うマトリョーシカ」も今時の政治家像が描かれていて面白かったです。

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手元に届いたリリースにご本人のコメントがありました。

■ 著者・早見和真氏コメント
旧ジャニーズ事務所の性加害問題で批判を一身に浴びた、藤島ジュリー景子とはどんな人物なのか? 叔父・ジャニー喜多川との、母・メリー喜多川との関係は? 当時の所属タレントに何を感じているのか? 二人三脚で歩んできた「嵐」に対する思いとは? 何よりも一連の「出来事」を彼女はどう捉えているのか──。これまで語られてこなかった事実を、ファンや読者に伝えられるのではないか。それが今回、40時間を超えるインタビューに臨んだ一番の理由です。ジュリー氏一人の声だけを記すという行為には恐怖心がつきまといました。それでも、この本には間違いなく彼女の目に映っていたものが、過去と未来が、そして贖罪への思いが記されています。読者のみなさまに、等身大の彼女が、その息遣いが伝わることを願っています。

確かに、まったく表舞台に出てこない方だったので、その人となりがわかるのは興味あります。彼女の母親のメリーさんが週刊誌編集部に怒鳴り込んだとか、週刊文春のインタビュー受けたとかでなんとなくすごい一家なのは伝わっていたものの、ジュリーさんってあの記者会見より前は露出0。

どんな内容なのか、現時点では冒頭の50ページが先行で公開され、今回のインタビューに至った経緯が明らかにされています。

https://www.shinchosha.co.jp/book/336154/preview

記者会見にて2023年10月2日の記者会見にて井ノ原快彦氏により代読された藤島ジュリー景子氏の手紙から始まり、目次を挟んで実はこれより前に面識があった早見氏と藤島氏の初対面のシーンが明かされます。そこから細く関係はつながり、彼女が読んでオファーしたことから『笑うマトリョーシカ』のドラマ化を企画。しかしそこから週刊文春を藤島氏が訴えたこと、BBCの番組の放送、外国人特派員協会でのカウアン・オカモト氏の会見、そして記者会見と展開し、その話は立ち消えに。

ここまで読んだ時点で「あれ、『笑うマトリョーシカ』って櫻井翔くんが主役よね? ジュリーさんとは別で実現したこと??」と気づくわけです。まぁ、早見さんも若手議員の清家のモデルに櫻井くんを参考にしたとは前述していて、ジュリー氏の企画の時点でもそれを想定していたわけで。つまり、別ルートでも、櫻井くん主役でのドラマ化に至ったわけです。そこは忖度はなく、ぴったりの配役ということで。

そして、ドラマ化についてのやりとりなど、細くやりとりは続き、藤島氏から早見氏に今回の経緯について書籍にして告白したいという相談が届きます。そこですぐには踏み出さないものの、早見氏は旧知の週刊文春の編集長・竹田聖氏にちょっとジャブを振ってみるなど、動き出せるスタンスを取ってみるものの、ずっとくすぶるものを抱えている。

「本当に性加害について知らなかったのか?」

そして、ついに藤島氏は書籍での告白を決意。新潮社の中瀬ゆかり氏に連絡をし、大作家の名前を何人か挙げてもらうものの、多忙なのはわかっていつつも一度早見氏に聞いてみてほしいとオファー。そこから、極秘裏に早見氏に依頼が届くのですが2つの条件を提示します。

それを了承し、47時間に渡るインタビューが開始。

文章は、早見氏の質問も含めた対話がほぼそのまま。早見氏の文章力よりも、仕事を通してではなく、個人として関係を築いてきた藤島氏との距離感があるから聞けるんだろうなという対話を書籍に記した感じ。それは、藤島氏が希望する「消えてしまう」新聞記事や手紙、ネットニュースではなく、書籍という形にする際に、早見氏の解釈が語尾に入ってしまうことを避けたのかもしれません。ほんと、Chat GPTに依頼したテープ起こしのようですから。

とはいえ、出会いのシーンからNEWSの加藤シゲアキ氏と早見氏を真ん中においての会食であったなど、ギョーカイの裏側を垣間見ることができるのは、一応広義での「メディア」という仕事に携わる身としても興味深いです。週刊誌に所属したことも、芸能事務所で働いたことはないけれど、月刊誌の編集部に所属し、ジャニーズ事務所はないけれど、芸能事務所とお仕事したことは何度もある者からすると、ジャニーズ事務所というアンタッチャブルだった芸能事務所の裏側を伺い知ることができるのですから。

本書の発売日は、2025年7月18日です。

■目次

藤島ジュリー景子の手紙
序章――ファーストコンタクト
一章 「人生をどこからやり直したいですか?」
二章 「『家族』という単語から何を連想しますか?」
三章 「ジャニーズ事務所で働き始めた経緯を教えてください」
四章 「『嵐』との出会いについて」
五章 「母・メリーさんはどんな人でしたか?」
六章 「結婚がもたらしたものは?」
七章 「『事務所内に派閥がある』という意識はありましたか?」
八章 「あの『週刊文春』について。あの『SMAP×SMAP』について」
九章 「ジャニー氏の亡骸を前に感じたことは?」
十章 「『知りませんでした』の言葉を信じることができません」
十一章「性加害を認められた理由はなんですか?」
十二章「ジャニーズの看板が下りた日、感じたことは?」
終章――ラストインタビュー
追記――『嵐』活動終了の発表を受けて

■ 書籍内容紹介
旧ジャニーズ事務所の性加害問題で批判を浴びた、元社長・藤島ジュリー景子はいま何を思うのか? 「嵐」との出会いと活動終了、叔父ジャニーのこと、母メリーとの確執、廃業──。一人の小説家に、はじめて胸の内を明かした。

■ 著者紹介
早見和真(はやみ・かずまさ)
1977年神奈川県生れ。2008年『ひゃくはち』で作家デビュー。2015年『イノセント・デイズ』で日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。2020年『ザ・ロイヤルファミリー』でJRA賞馬事文化賞と山本周五郎賞を受賞。同年『店長がバカすぎて』で、2025年には『アルプス席の母』で本屋大賞ノミネート。その他の著書に『ぼくたちの家族』『95 キュウゴー』『小説王』『笑うマトリョーシカ』『八月の母』『問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい』「かなしきデブ猫ちゃん」シリーズ(絵本作家かのうかりん氏との共著)、ノンフィクション作品に『あの夏の正解』がある。

■ 書籍概要
【タイトル】ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間
【著者名】早見和真
【判型】四六判(368ページ)
【定価】1,980円(税込)
【発売日】2025年7月18日
【ISBN】978-4-10-336154-1

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It was external pressure from a BBC broadcast program that brought to light the oligopoly of the Johnny’s Office, which had long been an untouchable in the entertainment industry, in terms of sexual assault issues and singing show appearances.

The Japanese media gradually reported on the issue in Japan, and finally the Johnny’s Office acknowledged the sexual abuse by Mr. Kitagawa and announced that it would compensate the victims. In addition, Keiko Fujishima Julie Fujishima, who had been involved with the office as a blood relative and became the office president after the death of Mr. Janie, resigned her position and announced that she would no longer be involved with the office in any way.

Speaking of Keiko Fujishima, it is well known that the “Iijima faction” of and the “Julie faction” of Keiko Fujishima, who supported SMAP for many years as their manager, were divided into two groups, and each group was in charge of a different group. Arashi, who was known as the representative of Julie’s faction, has announced that he will no longer be active in the group and will be giving his first and last interview, which will be published as a book.

The interview was conducted by Kazuma Hayami, a novelist whose style is steeped in humanity.

The author’s name is the person who was in charge of the interview for this book version.

Among the past books of confessions by celebrities, Hiromi Goh’s “Daddy,” Mariko Ishihara’s “Fuzorina Himitsu” and Hiroyuki Nagato’s “Yoko e…” come to mind, although I think they all had ghostwriters helping them, the author’s name is But the author’s name is the same as the author himself.

This time, the author does not use that format, but rather answers questions in an interview with Kazuma Hayami, a novelist.

I have read two of Hayami’s works so far, the “Store Manager is Too Stupid” series, which comically depicts the sorrows of bookstore clerks. They have been supported by booksellers in the field and have won the Honya Taisho (Bookstore Grand Prize).

Among his recent works, “Laughing Matryoshka,” which has also been dramatized, was also interesting because it depicts the image of politicians of today.

Here is a comment from the author on the release we received.

Author Kazuma Hayami’s comment

What kind of person is Keiko Fujishima Julie Fujishima, who has been the subject of much criticism for the sexual assaults at the former Johnny’s office? What was her relationship with her uncle, Janie Kitagawa, and her mother, Mary Kitagawa? What do they feel about the talents belonging to the company at that time? What are her feelings toward “Arashi,” which they had walked together as a team? Above all, how does she view the series of “events”? What facts could she tell her fans and readers that had never been told before? This is the main reason why we decided to conduct this interview, which lasted over 40 hours. The act of recording only the voice of Julie alone was a frightening experience. Nevertheless, this book definitely describes what she saw, her past and future, and her thoughts on redemption. We hope that readers will be able to feel her life-size and her breath.

Book Contents
What does the former president, Keiko Fujishima Julie Fujishima, who was criticized for sexual assault at the former Johnny’s office, think now? Her encounter with “Arashi” and the end of its activities, her uncle Janney, her conflict with her mother Mary, the closure of the business…. She reveals her thoughts for the first time to a novelist.

Author’s Introduction
Kazuma Hayami was born in Kanagawa Prefecture in 1977.
Kazuma Hayami was born in Kanagawa Prefecture in 1977 and made his debut in 2008 with “Hundred Hachi.” In 2015, he won the Japan Mystery Writers Association Award (in the long story and short story category) for “Innocent Days. In the same year, he was nominated for the Honya Taisho Award for “The Manager is Too Stupid” and in 2025 for “The Mother of the Alps Seat”. His other books include “Bokutachi no Kazoku” (Our Family), “95 Kyugo,” “Novel King,” “Laughing Matryoshka,” “August Mother,” and “Problem. Read the following sentences and answer the form of happiness in your family,” ‘Kanashiki fat cat-chan’ series (co-authored with picture book author Karin Kanou), and ‘Ano natsu no seisaku’ as a non-fiction work.

Book outline
Last Interview: 47 Hours with Keiko Julie Fujishima
Kazuma Hayami
Format: 46 pages (368 pages)
Price: 1,980 yen (tax included)
Release date: July 18, 2025
ISBN] 978-4-10-336154-1



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