【Book/Audible】三浦友和の美声で再読! 宮部みゆき「火車」

名作は、何度読んでも名作。そして何度目かの今回は、音声コンテンツであるAmazon Audibleにて体験しました。

いまやミステリー界の重鎮となった宮部みゆきさんの初期作、「火車」です。

 

<あらすじ>

主人公の刑事・本間俊介は、現在休職中。理由は犯人確保の折に暴発した銃で撃たれた傷で歩行にまだ難があるためだ。そんな彼の元に、亡き妻の従姉の子供というなんとも遠縁の銀行員・栗坂和也が訪れる。彼の婚約者である関根彰子が突如謎の失踪。その行方を捜してほしいという依頼を受ける。

和也と彰子の最後のやりとりは、彰子のクレジットカードを作るために銀行員の和也が自分の伝手で申請をしたところ、過去に彰子が自己破産をしているため審査に通らなかったということが発覚。そして翌日、彰子は姿を消したという。
休職中のため警察という身分が使えない本間は、和也の親戚やフリージャーナリストという立場を使い分けながら関根彰子の勤務先、自己破産の手続きを支援した弁護士と足跡をたどっていく。その過程で徐々に、自己破産をした関根彰子という人物の特徴と、和也の恋人で婚約者である関根彰子が全く容姿が違うということが判明する。

関根彰子を名乗っていた女は関根彰子ではない。では、一体誰なのか?

なぜ関根彰子は偽名や身分を偽って生活していて、和也の元から姿を消したのか。そして、名前も身分も奪われた、本物の関根彰子はどうなっているのか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

引っ越しの度に本の整理をし、厳選に厳選を重ねたもののみ残していますが、これは文庫本サイズということもあるのですが何度もセレクションを通過してきた精鋭。

今回この作品をAmazon Audibleで体験しなおそうと決めたのは、朗読を担当したのが三浦友和さんだから。実は私は誕生日が同じ1月28日💛。

子どもの頃から素敵なお父さんから怖いヤクザと様々なな役を演じられているのを拝見してきましたが、一番記憶に残っているのがドラマ『流星の絆』の刑事役。今回はあのときのお姿を本間俊介に設定、脳内再生しながら堪能しました。

どうしても大阪弁の人のシーンの朗読は違和感は否めませんが、行間の空気感までも作り出す読みっぷりは、さすがの一言。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ミステリー小説の場合、ミステリ脳筋がないと読み進められてない複雑設定の作品や、主人公のうんちくを始めとする自分語りが多くて脳筋が本筋に戻す力が足りず断念…ということが私は時々ありまして。その点では、刑事が地道に順を追って探す過程に、ときどき当時のことを話す人の視点が入る構成なのでミステリー初心者でも挑戦しやすいと思います。ちょっと長編ですが、この年末年始の移動時に読み始めたらきっと止まらないはず!

 



CULTURE】の最新記事